平成に甦る佛心
<森脇聖淳作品集>
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03−18
普賢菩薩(Hugen Bosatu)
平成8年作
絹本着色
《作品サイズ》42cm×90cm
《額装サイズ》52cm×100cm
(原本)東京国立博物館蔵

普賢菩薩は法華経勧発品および観普賢経に、この経を読誦する信者の前に、六牙の白象に乗ってあらわれ、これを守護すると説かれている。これに基づく普賢菩薩の美しい姿は王朝の貴族たち、ことに女性の祈念の対象として、さまざまに図絵され今日にのこる優品も少なくない。なかでもこの図は鮮麗な色彩と微妙な動きを秘めた構図とによってわれわれの目を奪う。 東方の浄妙国土から普賢はまさに信者の前に神秘の姿をあらわしたところ、空からは美しい花が降り、振り返る六牙の白象は鼻に蓮華をとり頭上には三体の化人が小さくあらわされる。その背に置いた七宝荘厳の鞍の上豊かな蓮華座に端座して、普賢はやや身を傾けやさしく合掌する。